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診療科部門紹介

救急部

このたび沖縄赤十字病院は増え続ける救急需要に対応し、さらに災害医療への体制を充実させるため救急部門を新設いたしました

これまで救急専門医不在のため救急医療や病院前医療の要望をくみ取ることが難しく、 地域の皆さまや医師会、消防関係者には歯がゆい思いがあったのではないかと思われます。一朝一夕で成し遂げられるものではありませんが、救急患者さんへのよりよい医療を通して皆様と病院をつなぐ窓口となっていく所存です。

沖縄赤十字病院は、災害用備蓄を持ち災害教育を行っている日本赤十字社沖縄県支部とともに災害医療において主体的に動くことが期待され、即応性と機動性を持つ医療機関のひとつです。これまでも種々の災害に出動してきましたが、災害の超急性期といわれる発災から数時間、急性期といわれる48時間までの医療に関しては全国的なレベルには至っておらず今後の充実が必要なのが現状です。

来年の移転では病院、県支部、血液センターが一つになります。これを機に災害医療体制をさらに充実させ全県的でシームレスな災害対応を行政や消防、医師会等の関係機関や地域住民の皆様とともに作っていきたいと考えています。また日常救急においても毎年増え続ける救急需要をできるだけ受け入れられるよう努力していきます。特に脳卒中や外科系救急に関しては全国的に脳外科医、外科医減少傾向が言われておりますが、充実した当院専門スタッフとともに短時間で適切な判断、処置へとつなげたいと考えております。

「悲観的に準備して楽観的に行動せよ」を原則に一歩一歩進んでまいります。
御指導御支援をよろしくお願いいたします。

災害医療とDMAT(災害派遣医療チーム)

日本は昔から地震、台風などの自然災害の多い国土でしたが、さらに近年地球的気象変化のために大きな被害を伴う自然災害が頻発しています。特に6433名の死者、30万人を超える避難民という甚大な被害を出した1995年の阪神淡路大震災を筆頭に、新潟や福岡など従来地震の発生する確率は低いといわれていた地域でも大きな地震が発生し、明和の大津波が遠い過去となり大災害はこないといわれてきた沖縄県においてもその対策が求められています。また鉄道や航空機事故といった人為災害は複雑化する社会の中で、CBRNE(chemical[化学物質による災害]、biological[細菌などの生物兵器]、radiological[放射性物質]、nuclear「核爆弾]、explosive[爆発])も想定せねばならない時代となってしまいました。そのため初動機関である消防の専門化、高度化とともに医療機関にも災害への対応能力向上が求められています。

日本のみならず世界に大きな衝撃を与えた阪神淡路大震災では、発災から48時間程度の超急性期~急性期といわれる時期に、病院が被災しライフラインは途絶、医療従事者の確保困難のなか十分な医療が受けられず不幸な結果となった方が少なからずおられました。通常の医療が行われていれば助かった、いわゆる「避けられた災害死」が大きな問題となり、これを最小にするためには以下のような対策が必要と考えられるようになりました。

  1. 現場活動:負傷者のトリアージ、応急処置、安定化処置、緊急治療、搬送、状況により瓦礫の下の医療等
  2. 救護所活動:現場応急救護所での緊急治療、搬送トリアージ
  3. 病院支援:被災地内の病院でのトリアージ、診療支援
  4. 広域搬送:広域医療搬送のための医療拠点の設営、搬送中の診療

最近まで日本では「災害現場医療はゼロである」と言われてきましたが、国は2005年3月からDMAT(disaster medical assistance team)を養成し災害医療の整備をはかっています。「大規模事故災害、広域地震災害などの際に、災害現場・被災地域内で迅速に救命治療を行うための専門的な訓練を受けた、機動性を有する災害派遣医療チーム」と定義され、1チームは通常医師2名、看護師2名、調整員1名の5名構成で、常時200チーム出動を確保するために全国1000チーム育成の予定です。

沖縄では平成17年の琉球大学から浦添総合病院2チーム、県立北部病院、県立中部病院、県立南部医療センター2チーム、沖縄赤十字病院と6施設8チームが日本DMATとして認定を受けています(2009.08.31現在)。その講習は災害時の指揮命令系統や安全確保、通信、災害の評価に始まり、3Tといわれるトリアージ(選別)、トリートメント(治療)、トランスポート(搬送)をシミュレーション教育で学ぶものでなかなか充実した内容です。さらに航空機に乗せるときに必要な搬送拠点の設営や、救出に時間を要する閉じ込め症例に行う「瓦礫の下の医療」を体験し、会場によっては自衛隊機を用いた搬送訓練が行われることもあります。

ただし、DMAT講習のみでは絵にかいた餅であるので、日常的に病院という枠を超えて常日頃からの訓練を通して消防や警察、行政、医師会、自衛隊等の関係機関との密な連携を養っておく必要があります。沖縄赤十字はこれまでいろいろな災害に出動しましたが、従来の医療班はどちらかというと超急性期(発災から数時間)・急性期(~48時間)より救護所・避難所等の亜急性期に目を向けての活動でした。しかし当院にも日本DMAT・日赤DMATチームが誕生し今後も養成される予定です。これにより発災から日常生活に戻るまですべてのフェーズを通したシームレスな災害医療を提供できる体制へ一歩前進できると考えています。

また沖縄は他府県からの応援が到着するまで時間を要する上に、宮古・八重山を始め多数の離島を抱えていることから、DMATに限らず救急医療に関係するすべての機関、医療従事者が連携して災害対応を考える必要があり、沖縄赤十字病院は日本赤十字社沖縄県支部とともに積極的にかかわっていきます。皆様のご支援のほどよろしくお願いいたします。

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沖縄赤十字病院広報誌 おきせきでも紹介されました。